・工作編/ 工作に関連した工具・マテリアルを紹介!
     
〜 紙やすり ・ スポンジやすり ・ 金属やすり 〜

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○ 紙やすり ○

 ざらざらした面で、パーツの表面をこすって削ることで、パーツを滑らかにしたり、形を変えたり、整えたりする時に使います。

  ひと口に『紙やすり』と言っても、メーカーや用途によって、たくさんの種類があり、値段も変わってきます。
紙でできたものの他に、布でできたものや、後で紹介するスポンジ状のものもありますが、ここでは一般的に模型店で手に入りやすいもの、模型用として売られているものを紹介します。

 さて、紙やすりには“番手”というものがあり、この“番手”によって“削る力”が変わっていきます
“番手”は数字で表されますが、やすりの材質に関わらず、数字の小さいものの方が“削る力”が強く数字が大きくなればなるほど弱くなっていきます。   “番手”はパッケージや、やすりの裏側に書かれていますが、模型用として売られているものでは、
180番・240番・320番・400番・600番・800番・1000番・1200番・1500番・20000番 が一般的です。
上に書いた通り、この10種類の中では180番が一番“削る力”が強く、逆に2000番が一番弱い、ということになりますね。
また、模型雑誌や、模型サイトで目にすることがあると思いますが、『目が粗い』というのは、“番手が小さく、削る力が強いもの”。逆に、『目が細かい』というのは、“番手が大きく、削る力が弱いもの”、ということです。

 ここまで、“削る力”が強い、弱い、という表現を使ってきましたが、強いから良い、弱いから悪い、というようなことではないので注意して下さい。 これは用途や目的によって変わってきますので。
例えば、『形が気に入らないから削って形を変えてしまう』という場合は、目の粗いものを使った方が、より早く、効率的に作業ができますし、『表面がざらついているので磨いてつるつるにしたい』という場合は、目の細かいものを使う、という具合です。

 ごちゃごちゃしてきたので(笑)、ちょっとまとめてみましょうか。 (言葉だけで説明するのは難しいですね…)
削りたい! = 目が粗いものを選ぶ = やすりの番手(数字)の小さいものを選ぶ
磨きたい! = 目が細かいものを選ぶ = やすりの番手(数字)の大きいものを選ぶ


 さて、もうお気付きかもしれませんが、パーツの形を変えたくて、目の粗いもので削って、目的の形は出せました。
そのときにパーツを良く見たり、触ったりすると、表面は傷だらけでざらざらになっているはずです。
目的によってはそのままでも良いかもしれませんが、もっと表面を綺麗にしたい!と思った時に、今度は目の細かいやすりに変えてパーツを磨いていきます。  この時、やすりの番手を急に大きくするのではなくて、少しずつ、段階を踏んで仕上げた方が良い、という事に気を付けて下さい。

  なぜか? というと、目が荒いやすり=削る力が強い、と書きましたよね?
削る力が強い、という事はパーツ表面には深い傷(やすり傷といったりします)が付いているという事になります。
パーツを磨いてつるつるにする、という事はこのパーツ表面についた深い傷を目立たなくしていく、という事です。
その為、 急に目が細かいやすり(=削る力が弱い)で磨いても、なかなか深い傷を目立たなくすることはできません
確かに、時間をかけて根気よく磨いていけばいつかは消えるかもしれませんが、それだけで疲れてしまいます。
少なくとも僕は疲れます(笑)
ですから、例えば最初に400番を使ったならば、次に600番、その次に800番と1つずつ目の細かいものにしていく方法が効率良く作業できると思います。
あ、紙やすりは特に消耗品です。 乱暴な言い方をすれば、使い捨て品だと思って下さい。

 安くて手軽な割りに奥が深いので、紙やすりの基本的な説明はこの辺で終わりにします(汗)。
いつまでもこんな文章を読んでいるよりも、あなたが実際に使って、コツをつかんでいく方が何万倍も早いと思いますし(笑)。

  使い方とかもっと詳しく知りたい! というあなた。
追々フォローしていくつもりですが、お急ぎの場合は専門書をオススメしておきますので、良ければそちらも参考にして下さい。
ただ、最終的にはあなた自身の手を動かさないと、いつまでも何にもできませんよ(笑)。

タミヤ フィニッシングペーパー(荒目セット)
 180番、240番、320番がセットになったものです。
 商品には『木工用荒目セット』とありますが、木材加工に適した番手という意味だと思います。
 もちろん模型用として、大きな形状変更などに最適です。
 セット内容は  180番×2枚、 240番×1枚、 320番×2枚 となっています。
 他に『細目セット』(400番×2枚、600番×1枚、1000番×2枚)
『仕上げセット』(1200番×1枚、1500番×2枚、2000番×2枚)もあります

・タミヤ フィニッシングペーパー(番手別セット)
 こちらは、番手ごとに3枚ずつのセットになっているタイプ。
 目的がハッキリしていて必要な番手のみ欲しい場合はこちらがオススメです。
 というか、慣れてくるとこっちのほうがお得ですね。
 
   180番  240番  320番  400番 P600番
    800番  1000番  1200番  1500番  2000番  と、それぞれセットがあります。


○ スポンジやすり ○

 紙やすりのスポンジ版。 …そのまんまじゃないですか。  
名前の通り、『紙やすり 』の台紙部分が“スポンジ”になったものです。 厚さは4〜5mmくらいです。
“削る”という点についての特徴は、“番手”が削るときの力のかけ具合で変わってくるという事があります。
その為、“番手”の表記が 『#400〜#600』 のように幅を持たせたものになっています。
この場合は、(それなりに)力を入れて ガシガシ削ると400番相当の削り具合に。
力を入れずに、磨く感じで軽く削ると600番相当の削り具合になる、
といった具合です。
この辺の感覚は…あいまいですね(^^;

  紙やすりでも、スポンジやすりでも、削っているうちにやすりの目が詰まって、削る能力は落ちていきますから、
最低限、今使っている番手が何番なのか、という事を判っていれば良いかな、と。
どの番手でも、新品のやすり以上に 荒くなる事はありませんしね。

 さて、『スポンジやすり』 は 『紙やすり』 と比べて、何が良いのか、どういう時に向いているのか、ですが。
良い点としては…
 ・曲面になじみ易い
 ・指に負担がかかりにくい
 ・仕上げのときなど、全体を磨くときに便利

良くない点として は…

 ・やわらかい為、エッジ(角) を出し難い (…と、言うより、カチッとしたラインは出ません)
 ・限られた部分のみを削る、という事が難しい
 ・紙やすりと比べて値段が高い

簡単に挙げると、このくらいじゃないかと思いますが(^^;

 上記のような点から、フィギュアやドールなどの曲面主体のものを削るときに有効ですし、
指にあまり負担がかからないので、広い面積のものを仕上げるときにも便利です。

また、カチッとしたエッジを削って緩やかなラインにしたいときなども上手く使ってやればとても便利な道具となります。

 しかし、逆に言えば “曲面になじみ易い” 為に、バリや段差、ヒケを処理する、といった場合にはあまり向いていません
削りたい部分と一緒に、その周辺まで削ってしまうことになるからです。
例えば…

  この図の白い部分を削って、なだらかにしたいと思っても
スポンジやすりでは  こんな感じにしかなりません(−−;
図は少し極端に描いてはいますけど。

 こういう時は、最初に紙やすりで白い部分を削り落としてから、スポンジやすりで仕上げる、
というのがベストな方法だと思います。

 あ、もちろん紙やすりと同じく、はさみで適当な大きさに切って使えます。
使える状況は紙やすりに比べて多少限定されますけど、紙やすりと併用してやる事で、
作業効率はかなり良くなると思います。

スポンジヤスリ(スポンジ研磨材)

スポンジヤスリ
 一般的(?)と言って良いのかわかりませんが、左の画像は3Mのものです。
 メーカーによって、販売しているサイズや価格、
 そして何より目の粗さの書き方、名称が違っていますので、
 購入する時には良く確認するようにしましょう。


○ 金属やすり ○

 “金やすり” とも言いますが、とにかく金属製の棒状のやすりです。
他のやすりに比べて削る力が強いので、比較的固めの素材もゴリゴリ削れますし、
ガンプラやGK等では荒削りに使われたりします。  

 形状はさまざまですが、良く使うものは、断面がそれぞれ 長方形、 半円 、丸、の3種類ですね。
たまに三角形のものもあったりしますが、基本的には先に挙げた3種類のものです。
セットでも(多分)必ず、この3種類は入っていると思います。

 一般的なやすり目のあるものについては、 『押して削る』のが基本です。
引いたり、その他の使い方をしても削れない事はないのですが、パーツに余計な傷がついたり、
やすりの劣化が早くなったりして、余り良い事はありませんので、なんとなくでも覚えておくと良いかと…。

 紙やすりと違って、使い捨てのものではないので、目が詰まってきたら(削れにくくなってきたら)
こまめに手入れをしてやると良いと思います。
 特に古くなってくると別ですが、基本的には使い古した歯ブラシで、
目の部分をゴシゴシしてやるだけでも良いのではないでしょうか。
ちなみに、僕がこれ用に使っている歯ブラシは、毛の固さが“固め” のものです。


 やすりの種類としては、一般的な金属板にやすり目の刻まれたものの他に、
『ダイヤモンドやすり』のように、粒子を貼り付けた(?)もの等がありますが、用法については大差ないと思います。
最近は、100円ショップでも普通に並んでいたりするので、そんなに珍しいものではなくなりましたね。
ダイヤモンドやすりの使い方については…どうなんでしょうね。
目の向きがあるわけじゃないので、動かす方向を気にする事はないのかもしれませんが、自信ないです。

  他にも、極薄の平やすりや、極小の丸やすり 等があり、
通常の金やすりでは入らなかったりするような場所に使うもの等もあります。
この辺は用途に応じて、その都度揃えていく方が無駄がなくて良いと思います。
ビックリする程に高い金額はしませんけど、やたらめったら買う程に安いわけでもないので。


 入門用としては、最初の方にチラッと書いた、3〜5本がセットになったものが1つあれば十分だと思います。
で、その後、状況に応じて買い足していけば問題ないかと思いますよ。

タミヤ クラフトツール ベーシックヤスリセット  
 まぁ、名前からしてベーシックなので、こんな感じの内容のものが基本って事で。
 金やすり自体が、“基本工作(具)”という認識をされているみたいで
 色々なメーカーから、少しずつ名前の違ったセットが出てたりしますね 。
 例えば、この辺 ↓ とか。
  ミネシマ クラフト3本組ヤスリ   ミネシマ クラフト5本組ヤスリ

 
 

・ミネシマ 極薄ヤスリ 中目 (左) ・ 油目 (右)
・ミネシマ 針ヤスリ 中目 (左) ・ 油目 (右)
 
 極薄ヤスリの厚みは、約0.5mm、
 針ヤスリの先端径は、約0.6mm。
 なくても問題ないですが、あればあったで便利。 という感覚です。
 使う状況というのがある程度限られてくるので、どちらかというと、
 細部まで作りこむ人向け、でしょうね。 (当然ですかね(^^;)

送料無料!【ダイヤモンド ヤスリ10本セット】

・ダイヤモンドヤスリ
 特にどこのものが! というのはないんですが、
 楽天でザッと探した感じだと、これがお得っぽいかな、と。
 
 でも…紹介しておいてなんですが、100円ショップなんかで
 必要なものを選んだ方が良いのかも知れませんね(^^;


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